パタゴニア

1970年代初頭の米海軍(U.S. NAVY)において、極めて短い期間のみ採用された「ユーティリティ・ジャンパー」。今回はこちらについて書いていきます。


パタゴニア

1. 年代と正体:1971年、海軍の「実験」

  • コントラクトナンバー: DSA 100-71-C-0042

    • 解析: 71という数字が示す通り、1971年度予算に発注された実物です。

  • モデル名: JUMPERS, UTILITY, LIGHT BLUE

  • メーカー: RICHARD WYNN ENTERPRISES, INC.

【背景】 1970年代初頭、米海軍は長年親しまれたデニム地の「ダンガリー」から、新しい「ユーティリティ・ユニフォーム」への移行を試みました。このジャンパーは、その過渡期に生まれた「ボタンフロントのプルオーバー型」という非常に珍しい設計です。この直後には、着脱の不便さからか一般的な前開きのシャツ型へ変更されるため、この「1970〜71年頃のわずかな期間」しか作られなかった、いわば短命に終わった悲運のモデルと言えます。


2. ディティールの解剖

  • アンカーボタン: 海軍の象徴である「錨(いかり)」が刻印されたブラックのプラスチックボタン。この小さなパーツが、ワークウェアとしての無骨さに「海軍の矜持」を添えています。

  • プルオーバー・スタイル: 最大の特徴は、腹部までしか開かないハーフボタン仕様。シャツではなく「ジャンパー(上着)」という名目ゆえの、アウターライクなボリューム感が魅力です。

  • フラップ付きポケット: 胸のパッチポケットには、丸みを帯びたフラップ。60年代までのワークウェアの匂いを残しつつ、素材がライトブルーのポリコットン(あるいはコットンサテン)へと近代化された、レトロフューチャーな雰囲気が漂います。



このアイテムは、M-65やデッキジャケットのような派手なスター性はありませんが、「知る人ぞ知るレアピース」です。

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