パタゴニア

1985年に「130$(当時約3万数千円)」という、ランニングシューズとしては破格の値段で登場した一足。現在、現行の「Made in USA 1300(主にU1300やM1300CL)」について、そのこだわりをオリジナル(1985年製)との比較を交えて書いていきます。


1. 「1300」の象徴、スティールブルー

まず語るべきは、その「色」です。1300の象徴である「スティールブルー(STEEL BLUE)」は、グレーの中に微かに青みが混ざった、都会的でノーブルな配色です。

 

  • オリジナルとの比較: オリジナルはもう少し青みが強く、デッドストックで見るとその鮮やかさに驚かされます。現行モデル(U1300V1など)は、ヴィンテージ好きが好む「少し落ち着いたトーン」を再現しつつ、現代の街並みに馴染むクリーンな発色に調整されています。

  • 素材: アッパーにはアメリカの老舗タンナー、ウルヴァリン社製のプレミアムなピッグスキンスエードとメッシュのコンビネーションを採用。このメッシュの「網目の大きさ」も、オリジナルに近いラフな質感を残しているのがにくい演出です。

2. ディティールの深掘り:「4つのポイント」

① Nロゴの「14本バー」と「ジグザグステッチ」

  • ステッチワーク: オリジナルのNロゴの縁取りは、非常に細かく、かつやや丸みを帯びたステッチでした。現行のMade in USAモデルでは、この「手仕事感」を再現するために、刺繍の密度や立ち上がりにこだわりが見られます。

  • ロゴのライン: NBロゴの「NB」の文字に入るラインの数。オリジナルや復刻の最高峰「JP」モデルは14本ですが、現行のCL(Classic)系はラインの数が異なります。現行のU1300V1を手に取ったら、ぜひそのラインの「鋭さ」を凝縮されたクラフトマンシップとして感じてください。

② ミッドソール「ENCAP」の構造的差異

1300は世界で初めて「ENCAP(エンキャップ)」を搭載したモデルです。

  • オリジナル: 衝撃吸収性に優れたEVAを、耐久性の高いポリウレタン(PU)で包み込む構造。

  • 現行USAモデル(CL): 実はここが面白い。現行の「M1300CL」などは、オリジナルのフルENCAP構造とは異なり、前足部に「C-CAP」を、踵に「ENCAP」を組み合わせたハイブリッド構造になっています。これにより、オリジナルよりも「屈曲性」が増しており、現代の舗装されたアスファルトの上では、オリジナルよりも格段に歩きやすくなっています。

③ シュータンとヒールラベル

  • タンラベル: 「Made in USA」の文字が誇らしげに刻まれています。オリジナルのフォントはもう少し平べったい印象ですが、現行品は非常に整った「美文字」です。

  • ヒール: 1300特有の、やや高めに設定されたヒールカウンター。これが足首をガッチリとホールドし、1300特有の「安定感のある歩行」を生み出します。

     

3. 公式サイトから読み解く「今、買うべき理由」

ニューバランス公式でも、1300は「Made in USA」のアイデンティティそのものとして扱われています。

  • 製造拠点: 今なおメイン州のスコヘーゲン工場など、アメリカ国内の熟練工によるハンドメイドを貫いています。

  • サステナビリティと品質: 最新のU1300V1では、素材の選定において「プレミアム感」を強調しつつも、長年愛用できる耐久性を重視しています。


4. 懸念点

どんな名品にも「弱点」はあります。

  • 加水分解の「宿命」: これはENCAPの宿命ですが、ミッドソールのポリウレタンは、日本の高温多湿な環境下では、履かずに放置すると5〜10年でボロボロになります。「大事に取っておく」のではなく、「頻繁に履いて、ソールに圧をかけて湿気を逃がす」ことが長持ちの秘訣です。加水分解はしてしまうものなので、そこは割り切って、ソール張替えをし履き続けるぐらいの気持ちでいると良いかなと思います。
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    1. ニューバランス公式リペアサービス

    ニューバランスジャパンでは、一部の定番モデルに対して「オールソール交換(靴底の全面張り替え)」を実施しています。

    • 対象モデル: M1500 / 1500UK は対象リストに含まれています。

    • 費用: 約11,000円(税込)〜

    • 期間: 約1〜2ヶ月程度(時期により変動)

    • 受付方法: 「ニューバランス リペアサービス事務局」への電話相談のみ(0120-85-0266)。まずは電話で品番を伝え、部材の在庫があるか確認する流れになります。

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  • 「雲の上」への期待値コントロール: 「雲の上を歩く」という言葉から、現代の「Fresh Foam」のようなフカフカしたクッションを期待すると、少し驚くかもしれません。1300の履き心地は、どちらかというと「適度な硬さと圧倒的な安定感」です。背筋がスッと伸びるような安心感、それが1300の本質です。

  • ワイズ(幅)のタイトさ: USA製1300は「Dワイズ」が主流ですが、欧米人向けのため、幅広・甲高の日本人がいつものサイズを選ぶと、サイドのNロゴあたりが窮屈に感じることがあります。ハーフサイズ(0.5cm)アップを基本に検討するのが「失敗しない買い方」です。

総評 現行のMade in USA 1300は、単なる復刻品ではありません。オリジナルの持つ「王者の風格」を保ちつつ、現代の歩行環境に合わせてソールの屈曲性を磨き上げた、「実用的な最高級ネクストヴィンテージ」です。

5年に一度の完全復刻「JP」を待つのも一興ですが、それはまた色など細かなディティールが変わってきます。日常的にガシガシ履ける「USA 1300」こそ、現代の選ぶべき一足です。

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