70年代の「空気感」をそのまま形にしたような、素晴らしいネルシャツ。
今回は、「CHRISTOPHER RAND(クリストファー・ランド)」という、当時のアメリカのデパートメントストア(量販店)等で広く流通していたブランドのネルシャツです。
骨董的な価値は置いておいて、ファッション的にこれほどのレベルのネルシャツはなかなかお目にかかれません。
1. 年代:1970年代
このシャツは、1970年代の典型的な「デパートメントストア・ヴィンテージ」です。
ポイント:襟と生産国
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ロングポイント・カラー(ロング尖り襟): 最大の特徴は、この鋭く長い襟の形です。これは70年代に流行したデザインで、当時のポリエステルシャツやネルシャツに多く見られる、この時代を象徴するディティールです。
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Made in Hong Kong: 1960年代後半から70年代にかけて、アメリカの衣料品生産の拠点は香港へと移りました。この時代の香港製は、近年のアジア生産品とは異なり、しっかりとした縫製とヴィンテージ特有の粗い風合いが同居しており、古着ファンに愛されるポイントです。
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WPL 13801: タグに記載されている「WPL」番号は、1941年から1950年代初頭まで使われていた「Wool Product Labeling(羊毛製品表示)」の略ですが、60年代〜70年代でもRN番号(登録番号)と同様に継続して使用されていました。
2. ディティールの詳細解説
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生地感(100% COTTON): 画像からもわかる通り、100%コットンのライトウェイト・ネルです。現代のネルシャツよりも少し薄手で、クタクタになったコットンの柔らかな質感が特徴です。オレンジ、イエロー、ブラウン、ネイビーの配色は、まさに「70年代の秋」を象徴する暖かみのあるカラーパレットですね。
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サイズ表記「20」: これは当時の**「ボーイズ(Boys)」**サイズにおける最大級(XL相当)を指します。大人の男性ならS〜Mサイズ相当、女性ならゆったり着られる絶妙なサイズ感です。当時のボーイズサイズは、大人のものよりシルエットが短めなBOXシルエットで、現代のファッションに合わせやすいことが多いのも魅力です。
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ボタン: 当時の雰囲気のあるドレッシーなボタンが使われており、今のシャツには無い雰囲気へと1段階上がっています。
このブランド自体はいわゆる「激レア」なブランドではありませんが、100%コットンであること(ポリエステル混が多い時代なので、コットン100%は肌触りが良く重宝されます)。そして何より、完熟したようなオレンジとネイビーのチェック柄と色合いがこれほどのものは中々手に入りません。芸術性の面で非常に希少性の高い個体です。
